2019年09月07日

アメリカの銀行口座を解約した

 20年以上前にアメリカに滞在していた時に作って放置していた銀行口座を、やっと解約しました。いろいろ調べたので、メモしておく。自分が今後使うことはないと思うけど。

 銀行は Wells Fargo Bank です。口座を作った時は Norwest Bank だったけど、合併して Wells Fargo に吸収されたみたい。とりあえずウェブサイトに行ってみたけど、解約の手続きがなかなかわからなかった。オンラインの相談サービスとかないのかと思ったけど、オンラインバンキングみたいなのを契約してないとだめっぽい。探し回って、やっと見つけた。Customer Service → Checking and Savings Help → Opening and Closing Accounts Questions のところ。見つかってみれば、そりゃここだろう、と思う場所ではある。

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 解約の書類に記入して郵送しろ、と書いてあるので、書類をダウンロードする。一番最初に "Notarization is required" と書いてある。これが曲者なんですね。

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 Notarization というのは、書類のサインが「正式なもの」であることを証明するためのもの。アメリカではよく必要になるので、Notary Public(公証人役場)がそこらじゅうにある。ところが、これは「アメリカの法律に基づく証明制度」だから、日本国内には当然存在しない。以前解約手続きについて調べた時、「アメリカ領事館に行けば notarization が可能」という情報を得たんだけど、なんだかハードルが高そうで、断念したのだった。

 解約書類を読み進めて、Notarization のページに来ると、こんなことが書いてある。

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 アメリカ国外で notarization を受けるには、大使館・領事館に問い合わせるか、政府機関でサインの正当性を証明する "Apostille Guarantee" を取れ、と書いてある。ほう、領事館以外の方法もあるんだ。Apostille Guarantee ってなんだ、と調べてみると:

「外国公文書の認証を不要とする条約(略称:認証不要条約)」(1961年10月5日のハーグ条約)に基づく付箋(=アポスティーユ)による外務省の証明のことです。提出先国はハーグ条約締約国のみです。アポスティーユを取得すると日本にある大使館・(総)領事館の領事認証があるものと同等のものとして、提出先国で使用することができます。

外務省「公的確認・アポスティーユとは

 じゃあ、そのアポスティーユはどうやって発行してもらうんだ、というと、こういう流れだそうです。

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外務省「申請手続きガイド・申請の流れ」より

 一般的には、日本の公証役場に行って、私文書の認証をしてもらったあと、法務局長に押印証明してもらい、それをさらに外務省に提出して証明を受ける、という手順。時間がかかりそう。ところが、東京・神奈川・大阪の公証役場なら、いきなりアポスティーユまで受け取れるらしい。これは、帰省した時に大阪の公証役場に行くのが手っ取り早いな。

 8月の超暑い日、梅田公証役場に出向いた。予約はできないとのことだったので、待たされるかもしれないなと思っていたが、そうでもなかった。到着してすぐに受け付けしてくれ、しばらくして担当の公証人さんのデスクに案内された。身分証を出して、書類の所定の場所に自分のサインをして、しばらく待つと、書類ができあがってきた。全部で30分もかからなかったと思う。手数料は 11,500 円。けっこうかかりますね。

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 アポスティーユのついた解約書類を、Wells Fargo Bank の Exception Payment 係に郵送する。残金は International Wire Transfer で自分の銀行口座に送ってもらうことにした。SWIFT code というのが必要になりますが、これは銀行のホームページで「外国送金」のところを調べると出てきます。

 しばらく経つと、こういうお手紙が来ました。電話しろ、ちゅうことなんですよね。めんどくさい…

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 電話で、英語で、銀行員との会話なんて、できるわけないじゃないですか。日本語でも怪しいのに(苦笑)。でも、仕方がないので、聞かれそうなことをいろいろ準備して、日本時間の夜12時(太平洋時間の朝8時)に電話。向こうの言ってることは2割ぐらいしか聞き取れないけど、上の手紙の "EP-...." という番号を伝えて、"Wire Transfer" 希望、と伝えると、後でこちらから折り返し電話する、と言われました。さあ、何時にかかってくるんだ!? 電話機を枕元に置いて就寝。

 日本時間の朝8時(現地の夕方4時)に電話が来ました。ちゃんとこちらの時間を配慮してくれたんですね。これも、言ってることが2割ぐらいしかわかんないんだけど、「生年月日」「口座を開いた時の Social Security Number」「口座を開いた場所と時期」を聞かれました。無事確認できて、そのあと、向こうの担当者と、国際送金の担当者との3者の電話会話になりました。向こうの2人が私の名前、住所、口座番号などをやりとりしている様子が聞き取れた。終わったあと、確認してくれて、最後はたぶん「月曜日に送金手続きする」と言ってたような気がする。この電話は20分ぐらいかかりました。疲れた…。

 あとは送金が無事届くかどうか。これが届かなかったらまためんどくさいんだけど、とりあえずは待つ。

 2019.9.13. 追記。無事送金が届きました。これにて一件落着。

タグ:社会
Posted at 2019年09月07日 17:58:32
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