Alchemusica
1. 概要
Alchemusica は Mac OS 10.6 以上で動作する MIDI シーケンサです。ピアノロールタイプの編集ができます。
イベントリスト(数値入力)編集も一応できるようになっています。
AudioUnit 版のソフトシンセをロードして、MIDI の出力先にすることができます。
作者はかつて Vision のユーザーだったため、Vision が開発終了になってしまったことを大変残念に思っていました。また、MIDIGraphy もサブ的な位置づけで愛用しておりましたが、これまた開発終了となっているようです(公式のアナウンスがあったかどうかはわかりませんが、そもそも OS X 版が存在していない)。
嘆いていても仕方がないので、自分で作り始めました。2004 年頃にようやく形になり始め、2011 年に sourceforge.jp(現 osdn.jp)で公開した頃には、いろいろ問題があるものの一応楽曲制作に使えるようになってきました。実際、Alchemusica で一から制作した MIDI データも公開しています。
VIDEO
MIDI データはこちら 。
まだまだ Vision はもちろん、MIDIGraphy にも遠く及ばないレベルではありますが、高価な DAW を購入せずに MIDI で遊んでみたい、というニーズは満たせるのではないかと思っています。
2. 仕様
インポート可能なファイル形式
標準 MIDI ファイル(フォーマット1)
タイムベース
上限 32767
トラック数
上限 32767
出力可能な MIDI 装置
Mac OS X の CoreMIDI に対応しているもの。ソフトウェア音源(内蔵の DLS シンセサイザーを含む)は40ポートまで同時に使用できる。
同時出力可能なポート数
上限 32767
演奏機能
トラックごとのミュート機能
曲中の任意の場所からの演奏。この際、開始点以前にあるシステムエクスクルーシブ・コントロールチェンジなどを演奏開始前に送信することができる。
編集機能
グラフィックウィンドウ(ピアノロール、ストリップチャート)での編集
イベントリストウィンドウでの編集
回数無制限のアンドゥ
複数トラックにまたがったコピー・ペースト
録音機能
MIDI録音。オーバーダブ、リプレースを選択可能。録音先は、既存トラックと新規トラックを選択可能。
オーディオ録音。ファイル名を指定して書き出すのみで、トラック内にオーディオデータを組み込むことは(まだ)できない。
スクリプト編集
Ruby インタプリタを内蔵、スクリプトを用いた自動編集が可能。(実は 0.6.3 以降、正常に動いていません。そのうち修正します。 動くようになりました。)
3. ライセンス
Alchemusica は Toshi Nagata(永田 央)の著作物です。GPL (GNU Public License) の下で配布しており、GPL に定められた条件のもとで利用・改変・再配布が可能です。詳しくは、GPL (日本語訳はこちら )を参照してください。
4. 履歴
2019/07/05 Version 0.8.0
バイナリを64ビット版にした。
スケールタイム機能がノート長を誤っていたのを修正。
タイムストリップチャートでスケールタイムを行う時の設定を保存するようにした。
演奏ビューのマーカーポップアップを選択すると、ピアノロールがその位置にスクロールする。
編集範囲をシーケンス終了より後に設定できるようにした(実験中)
ピアノロールで部分的に見えている音の操作を改善した。
ピアノロールで control-ドラッグすると音が鳴るようにした。
テンポストリップチャートはトラックリストのえんぴつマークに関係なく編集できるようにした。
デバイス設定ダイアログのレイアウトを少し変更。
ストリップチャートビューはピアノロールのトラックとは別に編集できるようにした(実験中)
グラフィックビューのフォーカスリングはピアノロールとストリップチャートを区別して表示するようにした。
MIDI録音でカウントオフが機能するようになった。
MIDIスルーと録音でトランスポーズを実装した。
オーディオエフェクトパネルの表示を改善した。
グラフィックビューのスプリッターにマウスが乗っている時の表示を改善した。
オーディオエフェクトパネルで、エフェクト名をクリックするとカスタムビューを書き直すようにした。
オーディオデバイスの設定を書き出し/読み込みできるようにした。
オーディオデバイス設定の書き出しオプションを設定できるようにした。
2017/10/23 Version 0.7.0
Audio Unit ソフトシンセを 40 ポート同時に使えるようにした。
10.5 と PowerPC サポートを終了。一方、10.10 以降でいろいろ問題があったのを修正。
MIDI データの送信手順を見直して、密度の高いデータで送りこぼしが出る問題を修正。
ストリップチャートの編集で、異常に高密度なデータが生成される問題を修正。
グラフィックウィンドウにいろいろあった問題を修正。
スクロールホイールの動作にいろいろあった問題を修正。
Ruby コンソールが機能していなかった問題を修正。
Change Timebase, Randomize Ticks, Thin Selected Events コマンドを実装。
Paste コマンドは既存イベントを上書きせずにマージするように変更。上書き Paste は "Paste with replace" として別途実装。
Get Editing Range from Pasteboard コマンドを実装。
演奏マーカーの表示が崩れていたのを修正(グラフィックウィンドウとリストウィンドウ)。
リストウィンドウで拍子メタイベントのメトロノーム単位を表示。
内蔵 DLS シンセの設定ウィンドウが出せるようにした。
内蔵 DLS シンセを使うとき、プログラムチェンジをポップアップウィンドウから名前で選択できるようにした。
演奏中に Mute/Solo フラグを変更するとフリーズしていたのを修正。
オーディオ入力(ソフトシンセを含む)にエフェクトをかけられるようにした。
2016/04/02 Version 0.6.4
ローランド SOUND Canvas VA を使えるようにした。
2015/04/12 Version 0.6.3
イベントリストウィンドウで、sysex の「ローランドチェックサム」を認識するようにした。
内蔵 Ruby インタプリタを 2.0.0 にした。
10.4 対応を終了。10.5 で Core Audio API が大きく変わっているため。
Ruby コンソールでヒストリ機能に対応。
ピアノロールの水平スクロールがおかしかったのを改善。
音符ドラッグ中のピアノロール表示を改善。
メトロノームを鳴らしている時に MIDI プレイバックがおかしくなるのを改善(10.6 のみ?)
ピアノロールで delete/backspace キーが "delete" コマンドと同じ機能を持つようにした。
オーディオ録音が MIDI プレイバックが終わっても止まらないように変更。
2012/08/16 Version 0.6.2
オーディオ録音ダイアログで、ファイル名の初期値をプロジェクト名から生成するようにした。
MIDI/オーディオ録音で停止する条件をはっきりさせた(停止位置が指定されていない場合は、MIDI 録音は停止せず、オーディオ録音はシーケンス終了と同時に停止する)。
Update Audio/MIDI Info メニューを実装。
Audio Settings ウィンドウで、ポップアップメニューでデバイスを選択すると、前と同じデバイスであってもいったんオーディオ処理をリセットするようにした。(雑音を取り込んでいるときに有効)
ピアノロールの選択処理を改善。(まだ問題あるかも)
2012/01/21 Version 0.6.1
クオンタイズを実装。(Events メニュー)
グラフィックウィンドウで、ライン形状とオペレーションモード (set/add...) のポップアップボタンを常に有効にした。
初期設定の保存方法を変更。一部の設定が初期化されてしまうかも。すみません。
イベントをシフトするコマンドを実装。(Events メニュー)
トラックの挿入/削除が演奏に反映されていなかったので修正。
ストリップチャートの編集が、矩形選択モードでもできるようにした。
メトロノーム設定ウィンドウが正しく動作していなかったので修正。また、クリック音の設定を変更したとき音を鳴らすようにした。
"Detele selected time" がトラックにイベントが無いときクラッシュしていたので修正。
トラックソロ機能を実装。
ポーズボタンが正しくハイライトされていなかったので修正。
(バージョン 0.6 以前の履歴は 更新履歴 のページを参照)。